なぜワインをフレンチオーク樽に入れるのか?ましてやシセラまで......
ふと、樽のことを考えてみる。
フレンチオークとは、ヨーロッパで代表的なコナラ属のセシルオークのこと。
コナラ属は北半球の温帯、亜熱帯に最も広範囲に分布する広葉樹で、なかでも一番多く存在するオークはまさに「森の王様」である。オークの森では菌類や植物、昆虫、哺乳類、鳥類、そして魚類まで何百種類もの生命が良好な植物連鎖を保ち、豊かな自然環境を形成している。
つまり、フレンチオークには「地球上の生命を守り育む力」が宿っているのではないだろうか。
そんなフレンチオーク樽にワインを入れたらどうなるのだろう?おそらく古代の人々はそう考え、期待と確信の中でワクワクしながらワインを熟成させたのではないだろうか......
うーん、フレンチオーク樽にはロマンがある!
たとえ化学的に品質管理の面で様々なリスクがあるとしても、ステンレスタンクでは決して現れることがない樽由来の「風味」が加わり、ワインに奥行きが備わる限り、このフレンチオーク樽にワインを入れない訳にはいかないのである。
さて、醸造所のフレンチオーク樽を眺めてみる。
優雅にヤマソービニオンを熟成させる風格が漂う樽の横には、まさかシセラを熟成させるとは夢にも思わなかっただろう戸惑いの樽も並ぶが......
ロマン満載のフレンチオーク樽には、きっとシセラをも熟成させる力が備わっているに違いない。
そう考える今の自分に、古代の人々の心境がすこし重なるような気がした。
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