開設当初からワインの仕込み方法にはこだわりがあります。それは、一度に大量のぶどうを収穫して仕込まないことです。その理由は、一度にぶどうを採って仕込んでしまうのはもったいないからです。ぶどうの成熟には個体差があるので、全ての畑のぶどうをよく観察して、成熟が進んだ収穫適期のぶどうから、その日のうちに300リットルの樽に仕込めるだけを収穫します。収穫したぶどうは直ちに計量して仕込み室へ運び、房のままフレンチオーク樽等の仕込み容器に入れます。次に、健全にワイン酵母が働く環境づくりをします。そのなかで大切な作業はピジャージュです。ピジャージュとは、健全な発酵を促してぶどうのもろみをかき混ぜることです。毎日ぬか床のように、手でゆっくりとその日のぶどうの様子を確認しつつ、おいしくなーれという気持ちで衛生面に十分注意しながらかき混ぜます。このピジャージュは、発酵が終わりバスケットプレスで搾るまで毎日行います。今年のピジャージュ、すごく良い感じです。手触りが良く、色の出方も、香りの立ち方もとても綺麗です。今、仕込み室は、仕込み開始日の名札を付けた発酵状況の異なるもろみ達が、プチプチと健全な音を奏でて発酵するいい香りで満たされています。そして、これから発酵が終わった順番に搾り作業を始めて行きます。
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