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執筆者の写真Matsumoto Hideya

2021.11.1 ワインの仕込み終了!そして樽出しと瓶詰め

今年収穫したぶどうは全て圧搾作業が終わりました。この時点で専門用語ではワインを「製成」したことになり、仕込みは完了です。製成して一つ一つタンクに入った原酒のことを、私はキュヴェと呼んでいますが、これらのキュヴェの特長を確認して、これからどのような製品にするかを計画してから、熟成方法を選びます。創造力たくましく、楽しい妄想を繰り返し、熟成作業に移りますが、その熟成方法の一つが樽熟成です。醸造所は上階の仕込み室から中階の発酵室、そして下階の熟成庫へと3階構造に設計しているので、樽熟成庫へは発酵室のタンクからホースをつないで重力で樽へキュヴェを入れることができます。キュヴェの特長に合わせて樽を選びこれから約一年の樽熟成を開始します。

また、この時期に行う重要な作業が樽出しと瓶詰めです。昨年の今頃に製成し樽へ入れたキュヴェを、樽から出してペーパーフィルターで清澄ろ過してから瓶に詰めます。この作業は、いよいよ製品となる喜びと緊張が交互に感じられる特別な作業です。朝、白作業着に着替えてイタリア製の小さなマニュアル充填機を組立て、詰め作業の準備を整えてから、2人で一日最大300本をビンに詰めます。作業はおよそ4時間。自分自身を機械化し、黙々と正確に一本ずつビンに詰めていきます。詰め終わると直ちに瓶詰め室内の機器やホースから充填機の部品まで全て分解して手で洗浄します。作業が完了するころにはもう日が暮れていますが、体の疲労よりも心の充実感で満たされます。おいしく飲んでもらえることを想像しながら、明日も瓶詰めマシンに徹します。



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