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執筆者の写真Matsumoto Hideya

2022.10.28 あらためて日々これが成り立つ訳とメンバーズ定期便の準備をするにあたって思うこと

近年デジタル化が進みSNSが発達して、効率的にたくさんの情報や品物が手に入るようになりましたが、私はそれを最小限に止めてワインづくりを行っています。

ヴィニュロンヌの妻には、一緒に行うぶどう栽培ワイン醸造の他に、製品化(ロウキャップ付け、ラベル貼り)と在庫管理や発送データ管理など販売業務のすべてを託し、CSO兼セカンドヴィニュロン筆頭の西村さんには、栽培醸造以外の作業であるSNSのすべて(写真撮影、日々の作業状況の情報発信)やラベルデザイン及び様々な企画運営等を担っていただき、私は申し訳なく感謝しながらも頑なにSNSによるインプットを避け、アナログに、今までに様々な書物や現場から培ったものを整理し、選択して、アウトプットに徹したワインづくりをさせてもらっています。


年齢を重ねてワインづくりを追求していくと、頑固になったばかりではなく、あらためて覚醒した部分もあります。それは「全房発酵によるワインづくりの追求」です。これは、現時点で私が理想とするワインづくりの柱となっています。2018年のファーストヴィンテージからフラッグシップとして製造しているドメーヌピノ・リーブル樽熟は、一貫してヤマソービニオンの全房発酵を行っています。その理由は、この製造方法が、ぶどうの品質やテロワールの特長を最も素直に表現できるからです。良くも悪くも全房発酵によってつくられたワインは正直です。そのため日々畑でぶどうに触れ、発酵音に耳を傾け、香り、もろみの感触や温度を確かめ、搾りの具合は力の入れ方と流れる搾汁液の色で調整して、椅子に座れば全ての情報を鉛筆で綴った㊙方眼ノートを眺めて原酒の熟成方法をじっくり考え、瓶詰めをするタイミングを決断する・・・という作業を毎年繰り返し積み重ねてきました。

ぶどうが樹齢を重ね味わい深い果実が実るようになるとともに、自身のワインづくりのサイクルも、より自然で円滑に流れるようになりました。いよいよ機が熟したと実感できたことから、ぜひともセカンドヴィニュロンであるメンバーの皆さんとともに今後のワインの成長を楽しみたいと熱望しているところです。


さて、今期メンバーズ定期便でお届けする製品の現在の状況をお知らせいたします。まずは、こちら。

① ドメーヌピノ・リーブル2021樽熟

[フラッグシップであるヤマソービニオン単一樽熟の赤 / 720ml / ¥5500+tax]

現在、樽熟成庫にて樽熟成中。

ただいま、今年の仕込みと並行して、来月中にメンバーズ蔵出しとなる本製品の瓶詰めを行うための準備をしているところです。ドメーヌピノ・リーブル2021樽熟の原酒は、すべてUBA畑ヤマソービニオン100%(樹齢9年生)。この収穫は9/11から9/26まで熟成の具合をじっくり確かめながら行い、口に含んだぶどうは2020年よりも深みを増し、後味の余韻も長く感じました。すべてを全房発酵で仕込み、圧搾後に数種類の樽で熟成を行っています。本製品は、以下の3樽で熟成した原酒を選択する予定です。


樽№1. REMOND社  (フランス・コートドニュイ)

【タイプ】 ブルゴーニュトラディション228L   

【トースティング】 MTL+(ミディアムロングプラス) 

【産地】 ベルトランジュ 36ヶ月乾燥 新樽

この樽は個性豊かで、さらに新樽で原酒を熟成することにより複雑でスパイシー、余韻の長い風味をもたらします。


樽№2. GAMBA社(イタリア・ピエモンテ)

【タイプ】 ボルドーエクスポート 225L

【トースティング】 LT(ライトトースト)

【産地】 アリエ 36ヶ月乾燥 2年使用樽

過去、ドメーヌピノ・リーブル2018樽熟とドメーヌピノ・リーブル2020樽熟で使用したことにより、樽材にヤマソービニオンのワインがしっかり馴染み、まろやかな風味をもたらします。


樽№3. GAMBA社(イタリア・ピエモンテ)

【タイプ】 ボルドーエクスポート 225L

【トースティング】 H(ハードトースト)

【産地】 アリエ 36ヶ月乾燥 2年使用樽

過去、2019シセラキュヴェとドメーヌピノ・リーブル2021アンバーで使用したことにより、ロースティーな香りが落ち着き、柔らかく個性的な香味をもたらします。


これら3つの樽で約一年間熟成した原酒を11月初旬に樽出し、その後アッサンブラージュ、ろ過、瓶詰めを行います!


次回は、②ドメーヌ ピノ・リーブル 2022  JINDE ゲミシュターサッツについてお知らせ

したいと思います。お楽しみに。


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