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― 本日はお越しいただき誠にありがとうございました ―
山梨の大学で学び、富良野、中伊豆と約20年間ぶどう栽培とワイン醸造の経験を積み、周防大島油良でワイン農家としての第一歩を踏み出そうと移住したのが2013年のことです。そして、2018年、自ら設計した理想どおりの小さな醸造所ができ、100%油良の自社農園で栽培したぶどうを使ってワインをつくっています。仕事の日という概念はなく、日々の生活の中にぶどう作りがあり、そしてワインを醸造する。つまり、私たちの形態は、ワイナリーと言うよりワイン農家という言葉がぴったりだと思っています。
一年に一度だけ実るぶどうは、それぞれの年ごとに良さがあります。そのぶどうの個性に出会えるのは一度きりですから、特徴をありのまま最大限に引き出したワインとなるように、ぶどうに合わせて造り方を選び、丁寧に何よりも衛生管理に細心の注意を払いつつ、心は躍り楽しみながらワインを醸造しています。
ご来訪いただいた記念に、この春剪定したぶどうの枝を小箱に入れてお渡ししました。ぶどうが冬の休眠から目覚める前に、前年に伸びた枝から新芽を出させる枝を選び出し、残りの9割は切り落としてしまいます。落とした枝は土に還ることで次なる恵みを生む役割を果たしておりますが、その中から小さな芽を持つ小枝に新たな役割を託しました。
「皆さまの心の中で芽を出し、花を咲かせ、ぶどうが実り、さて次はどんなワインに出会えるかなと思い巡らせていただけますように、またお会いできますように」 と、願いを込めて。
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